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専業トレーダー DaTsU

戦略・軍術

今回は「しっかりと相場を見極めることが大切」ということ、そしてそのた
めには漫然と相場を眺める、漫然と売り買いをするのではなく、しっかりと戦
術、軍略をもって相場に対処していかなければならないと言うことを見て見た
いと思います。

 三略六韜の書は武芸軍術の奥儀にてその備えを堅うし、陣をなすの術なれど
も、毎度敵を破り、勝ちを取ること計りはならぬものと見ゆるなり。米商いは
軍術と同じ、凡そ数万人商いするも法立てと言うことなし。この三位の伝は三
略六韜の書よりも自由に考え置きたるものなり。七月甲に廻り、三年塞がり、
是すなわち八陣なり。敬い大切に所持すべきものなり。

 「三略六韜」は兵法の奥儀とされていますが、その書に書かれているように
堅く守り、しっかりと陣を張ってもいつもいつも敵を破り、勝利を収められる
とは限らないのです。米相場も兵法・軍術と同じなのですが、実際に何万人も
の人が相場に参加していますが、筋道を立てる、つまり、方針をしっかりと打
ち立てて相場に臨んでる人は少ないのではないかと思います。この「三位の伝」
は「三略六韜」の書よりも自由に利用することが出来ます。「7月甲に回り、
三年塞がり」というのはこれは八陣と言う兵法によるものです。こういった戦
略や軍術の考え、すなわち「三位の伝」の考えを大いに敬い、大切にすべきな
のです。

 相場は戦場と同じように買い方と売り方がせめぎ合っているものです。戦場
では武器を持って軍略をめぐらし、敵を打ち負かさなければならないように相
場も買い方と売り方があたかも戦場での戦術や軍略をめぐらせるように攻めた
り守ったりするようなものなのです。したがって相場に携わる上ではしっかり
とした戦術を練ってタイミングを測り、押したり引いたりすることが大切とな
ってくるのです。何の戦略も戦術もなくただ、闇雲に売り買いしても儲かるは
ずはなく、よくよく「三位の伝」を考えて買ったり売ったりすることが必要な
のです。そのために、相場の流れをよく読みタイミングを測り、どういうとき
にどういう銘柄を買うかとか「こういうときにはこういう銘柄を買って、ああ
いう銘柄を売る」などと戦略を練ることも大切なのではないでしょうか。

 二つ仕舞い、三つ十分、四つ転じのことは前に記し置くなり。右米商いは上
げ下げ二つより出で、心の道多きこと糸筋のごとし。この商いを心掛くる人は
前条の極意、常々油断なく見明らめ、考うべし。悉く見極むる時は自然と米の
強弱を知るなり。この書を能く能く見明らめ売り買いを到す時はたとえその年
天災、不時作の豊凶、米の多少、買い船の多少、人気を以って、何程相場動き
ても、利を得ずということなし。必ず必ず。他見無用、専ら慎むべし。

 二つ仕舞い、三つ十分、四つ転じということは前に述べた通りなのですが、
この相場が果たして上げ相場なのか下げ相場なのかと言うことは、上げ下げの
二つ事象と見えるのですが実はその見方は乱れる糸の如くいろいろな事象が混
ざりあっているのです。相場に携わる人は「三位の伝」の極意を見極め、常に
油断することなく色々なことをはっきりさせながら考えるべきです。しっかり
と見極めると自然に相場の上げ下げ見えてくるものなのです。この書をしっか
りと見極めて売り買いすればたとえその年が天災、や不時の凶作、に見舞われ
ようが、米の出来が良くても悪くても、買い手が多くても少なくてもまた、人
気の度合いで変に大きく動いたとしても利益を取れないことはないのです。決
して他の人にこの書は見せてはいけません。

 このコラムで書いてきたようなことをしっかりと見極め、相場に真剣に向き
合っていると自然と相場の動きが見えてくることがあります。相場は上がるか
下がるか(あるいは動かないか)しかないのですが、その相場の見方は千差万
別でいろいろな思惑も絡みあってきます。ただ、「あせることなく」「決して
欲張らずに」「他人の行動に付和雷同するのではなく」しっかりと相場を見極
める目を持てばどんな相場であっても儲かるものなのです。そのためにはしっ
かりと相場を見極める目が必要で、目先のテクニックだけに特化したようなこ
とでなく、相場の本質を見極めなければなりません。しっかりと大きな相場の
流れを見、その中でどういうところに位置しているのか、周りの人がどういう
ことを考えているのか自分のポジションはどうあるべきかを考えながら相場
に対峙していると自ずと相場の動きが見えてくるものなのです。



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